アイドルに転職したい

エンジニア/第二新卒転職、フリーランス、独立、株、為替などに関するのんびり雑記ブログ

8月1日

「夏休みに立て籠もりたい」常々このように思っている。思えば立て籠もってばかりの人生であった。学生時代は奈良盆地京都御所に立て籠もり、社会人は鴨川デルタから目黒川に立て籠もってきた。そんなぼくにとって「夏休み」という言葉はひどくステキな響きであった。空気がフワッと軽くなり、口角が上がり、慌ただしい日常から解放されて夜更かしする。

 

ぼくは飼いネコと一緒に八月氏を迎えた。「さあ、2017年も残りは3分の1」彼は綺麗な七三分けが似合う筋骨隆々男である。「あくまで参考意見ではありますが、あなたは早寝早起きをするべきです」何を言ったわけではないが、肩幅が広い人は発言に説得力がある。確かにぼくはフリーランスの請負案件やその他作業を昼夜問わず行っている。もやしっ子のぼくは頷いた。

  

やがて八月氏は「早寝早起き」と書いた半紙を取りだし、リビングとトイレの壁にぺたぺたと貼り始めた。やる気に充ち満ちた暑苦しい字体はスイカバーなしには見るに耐えない。そして八月氏は「前から手を差し伸べてくれる人、後ろから背中を押してくれる人、横で一緒に歩いてくれる人をちゃんと大切にするんだよ」と言い残して去った。もやしっ子のぼくは頷いた。

 

月氏を玄関まで見送ったぼくがリビングへ戻ると、飼いネコが「早寝早起き」の半紙をいそいそと壁から剥がしていた。そして、それをゴミ箱にポイと捨て、ぼくに向かって敬礼した。

 

「片付け完了致しました」

 

「うぬ」